第三回

2号特集 ハミゴー遊び〜その1〜

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平成16年 ハミゴー
西向棚(イームッケェダナ)
 ぽっかりと空いた巨大な洞窟は恋と遊びの舞台。
 今回は、島のおじいちゃんおばあちゃんの青春の思い出がいっぱいに詰まった、ある洞窟の話。

 今からそう遠くない昔、「ハミゴー遊び」と呼ばれた一年に一度の大交遊会に、若者たちはこぞって集まった。ソテツの森を抜け、岩を渡ると広がる舞台。輪の中へ入ると恋の歌合戦が始まった。
 男は笑い声の囃しに合わせるように、三線(サンシヌ)に合わせ軽やかに歌い出す。

   初みてぃどやしが
   合わさりがしゃびゅら
   きばてい歌いみそり
   合わし遊ば

娘が歌い返す。

   何時がちが思てぃ
   待ちかにて居たん
   今夜ど待ち受きてぃ
   遊びしゃびら

 初めてですので、貴女のすばらしい歌に私の下手な三味線が合うかどうかわかりません。合わないかもしれませんが、どうか我慢して歌ってください、共に遊びましょう。
 何時か何時かと思い、それこそ首を長くしてお待ち申し上げていました。今夜こそ願いが叶い、やっと待ち受けました。どうか今宵は楽しく遊びましょう。

  意中の人へ心を込めて想いを歌い、男女の恋は曲と共に次第に盛り上がっていく。集まった大勢で太鼓(グン)を叩き指笛を鳴らし、大合唱は永遠と続く。

 洞窟は島の南端にあり、海岸には巨大な岩々がそびえ立ち、その下には、ひんやりと広がる洞窟がいくつかある。その周辺一帯をハミゴーということから、遊びの名前は「ハミゴー遊び」と呼ばれた。
 遊びはさかのぼること約五百年、琉球からヨロン島に歌文化が伝わった時代から始まっていたという。
 (次回へ続く…)

昭和37年
ソテツのジャングルを抜けて洞窟へ向かう
昭和35年
危険な断崖絶壁の岩を渡る
昭和35年
西向棚に立つ男女三人 青春時代を想い訪れた

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