第7回

35kmの壁
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アイガー北壁とはいかないまでも・・・
 今、巷には「バカの壁」という本がバカ売れしているとか。調子に乗って「私バカよね、おバカさんよね」と言いたくなるが、別に深い意味があるわけではない。やっぱりバカかもしれない?ただし、明石ではバカを余り使わない。殆どが「あほ」とか「だぼ」だ。あまり品の良い言葉じゃない。使わなくて済ます方が、ずっと良いのだが・・・

 話はバカの壁ではなくて、トップランナーでさえフルマラソンの後半、35kmを過ぎるとペースが落ちてくる、殆どのランナーがぶっつかる35kmの壁。壁、壁・・・・・これが乗り越されれば占めたもんだが・・・・・
 ヨロンマラソンの35kmの壁は、言うまでも無く翔龍橋への急勾配の登り坂だ。そのお膳立てが実によく出来ていて、赤崎から民族村の前のだらだら登りの長い坂を登った挙句に前浜ロータリーまで海抜0メーターまで駆け下ってからの正味の登り道である。これを壁と言わずして・・と力説したくなる。

 ところが他のマラソンコースではどうだろうか。ヨロンマラソンのような坂道が無くても厳然として壁が存在するから不思議だ。
 以前参加していた兵庫県の篠山マラソンの35kmの壁は制限時間だった。3時間50分でコース閉鎖となって、待ち構えている収容バスに乗せられてしまう。(ちなみにゴール閉鎖は4時間50分)
 この時間には落とし穴があって、スタートロスは一切考慮されていない。1万人のランナーが細いコースでせき止められて、下手をするとスタートラインを通り抜けるのに10分程かかってしまう。そのロスを取り戻す為に、35kmラインをめざしダッシュするのだ。それが制限時間内で通り過ぎたとしても、丸でそこがゴールラインであるかの如く、やれやれと歩き始める。大勢のランナーたちがそうなってしまうので、私もつられて歩き始めてしまう。一度落としたペースは元に戻らない・・・・・


ゴールで待ち受けている給水係の与論高の生徒さん達
 京都府の福知山マラソンでの事。30kmを過ぎ、やっぱりペースが落ちてきていた。その時に後ろから軽快な足音が聞こえ、やがて私の横をすーっと抜いていく女性ランナー。少しだけでも付いていってみようと、つられるようにピッチを速めて併走が始まって1分。少し苦しかったが慣れてきて2分。周りの人を小気味よく抜いていって3分。併走の彼女に「元気ですね」と声を掛けると「おじさんもね」と返事。
 一緒に走っていると登り坂でもスピードは落ちなくなり、しかも楽になって、4時間を切ってゴール出来てしまった。
 今から考えると、ひまわりキッズと同じような効果があったんだと懐かしく思い出される。
(2004.06.21)