第32回

走る事が出来る幸福
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我が家の庭の紅葉の紅葉  例年なら12月初旬には落ちてしまうのに気まぐれな昨年の天候の後遺症だ


涼しげなスタイルでも寒さに負けず坂を登っていく 翔竜橋の急坂より楽(後方は明石海峡大橋)


与論島点描 与論島での紅葉は「アカリバ」


与論島点描 玄関の与論空港 早速記念写真を・・


与論島点描 台風で倒されても、なお起き上がるさとうきびの生命力
 気が付けば随分長い間走っている。もう25年位になるのだろう。それでも、この歳になるまで続けられるとは考えてもいなかった。飽きっぽい私にしては珍しい事だ。いろいろな事が有ったので、厭きる間が無かったのかもしれない。

 先日も何時ものように走っていて、赤信号で止まった時に、横で車椅子を押していた年輩のご婦人が声を掛けてきた。
 「えらい元気だねぇ、あんたは・・そんな格好で風邪を引かないかい?」走るときは年中Tシャツとショートパンツだから目立つのだろう。
 「一体幾つになったんだい?もう70を越えているんだろう」とは、よく尋ねられる事だ。続けてご婦人の質問は、「あんたの歯は自前の歯かい?そりゃー良かった。歯が悪かったらそんな元気出ないもんね。」

 その内に信号が変わって青になっても、ご婦人の話は終わらない。
 「でも、あんたは幸福だよ。私らは毎日文句を言って暮らしているんだから」と、車椅子のご主人を見やっている。脳梗塞の後遺症で手足が不自由になり、現在リハリビ中とかで、その横顔は、無表情で真っ直ぐ前を見たまま動かない。

 「あんたの奥さんも幸福、あんたも幸福だよ・・」と、何度か繰り返して言われて、今までそのように感じていなかった事を指摘され、思わずハッとした。
 走る事をと言うより、走る事の出来る健康を持ち続けている事が、既に幸せとか幸福という事なんだ。私の周りを見れば健康に障害をもっている人がいっぱいいる。
 3人寄れば文殊の知恵と言うのは過去の事。今では血圧が高い、コレストールもやでとか、糖尿の気があるから心配など言うのは朝飯前。足腰痛むんで、これから医者通いや。あそこの医者に掛っているけどいっこうに良くならへん。困ったもんや。あれは藪医者やから行ったらアカン!!と、かしましい。

 年末から年始にかけていろいろ雑用が多いのはどこのお宅でも一緒だろう。それ、換気扇の油汚れがひどいから掃除してとか、やれ、年賀状は何時出すのかとか。その為には版画も彫らなければいけないので、今やっている最中やで・・と、ドタバタ。
 昨年末になってようやく平年並みの寒さがやってきた。大晦日には大雪とは、気まぐれで大荒れした一年の締めくくりとしてはこんなもんだろう。

 例年通りバタバタしながらやっと新年を迎えたら、何が無くても取り合えずお正月が来たんだなぁと気が緩んでしまってる。折角の幸福の根源の「走る事」はどうなってしまったのかな?
 今日から小寒。如何にも寒そうだが、いくら寒くても走る分には差し支えない。けれど、一番寒さを感じるのは走る準備の時。上着を脱いで、ズボンを脱いでパンツ一つになった時が最高の寒さ。夏冬兼用のTシャツとショートパンツを身に着けてしまえば少しはましだ。早々に外に出ると、もう走るよりしようがない。こう言うのを幸福と言うのだろうかと自問自答。よしんば風邪を引いたとしてもやっぱり自己責任、でも、咳一つしなかったと自己満足の境地。阿呆は風邪を引かんとも言うが・・・・・
 ヨロンマラソンまでは、後2ヶ月しかないのに、この往生際の悪さ! (2005.01.06 亀野 稔)